わが家マンガ⑧
以前から気になっていた養命酒の新聞広告イラスト。おかっぱの女の子が室内でくつろぐ様子を描いたひとコマに、ゆったりとした時間が流れているようなやさしさを感じて、時々切り抜いていました。この、味のある絵って、一体、誰が描いているんだろうなぁ、と、ぼんやり思っていたのですが、友人がネットで調べた所、描いたのは養命酒の社員さんらしいという情報を見つけたそうです。あの広告を見た出版社からも、イラストレーターは誰かという問い合わせがあったのだとか。そういえば以前、永谷園のお茶漬けのCMに、広告代理店の社員男性が出ていて、豪快な食べっぷりが評判になっていましたが、あれも、役者やモデルではないと知ったことで、なんともいえない奥行きを感じたものでした。専門の職業のひとより、案外「ちょっとやってみてと頼まれた」くらいの立場の方が、いい味が出るものなのかもしれません。わたしの場合、「プロだから、ちょうどいいからちょっとやってみて」と知人に何気なくデザインを頼まれたりすると、その「ちょっとやってみて」で却ってぎくしゃくして、うまくいかないことが多いですけれど。養命酒のイラスト、引き続き楽しみです。
わが家マンガ⑦
わが家マンガはあと2回です。ちなみに、わが家の思い出といえば、昔の実家(こども時代から成人してしばらくまでを過ごした家)の、玄関のドアをあけてやってくるひとの、逆光になったシルエットです。酒屋さん、画材屋さん、レンタル書店の配達員さん、ヤクルトのひと、保険のひと、募金を求めてまわってきた学生風のひとなど、訪れるひとはいろいろでしたが、その中でもくっきり覚えているのが、一時期、週に何度も宅配便の集配にやってきていた、ひげのおじさんです。小柄で筋肉質、そしてパンチパーマにヒゲというコワモテのおじさんなので最初は驚いたのですが、しばらくして母が「あのひとやさしくて、かわいらしい人やわぁ、丁寧やし」と絶賛。ならばわたしも、と、おじさんが来られたときには積極的に応対に出るようになりました。例えるならば、クレヨンしんちゃんの幼稚園の園長先生みたいな感じといいましょうか、とにかく見た目と物腰のやわらかさのギャップが魅力で、当時玄関に飾っていた鳥のおもちゃ(手をたたいたり声がすると反応してピヨピヨ鳴く)に、いつも、「ややっ、これは、おっ、ははっ」などと反応して、腰をかがめてしばらく鳥をながめてから荷物を受け取って「じゃ、まいどぉ」と去って行かれるのでした。ある時、そのおじさんから別のひとに変わると、まったく鳥には気付かなくて、他の佐川急便とかクロネコさんのひとたちも仕事のみをテキパキとこなす方ばかりで、家族で「あのひと来なくなったなぁ」と話したりしたものでした。わが家の思い出って、今のところ、それですねぇ。
わが家マンガ④
デザインの仕事を何年もやってきて、首尾一貫している懸案が、「デザインを送る手段とタイムリミット問題」です。以前は手描きの図案をダンボール製の筒に巻くか、筒がない場合はホットカーペットなどの、一面が大きめのダンボールを台紙にして宅配便で送っていたのですが、サイズに合うダンボールがなかったり、ガムテープが切れていたりと梱包段階でパニックになり、さらに、他県への翌日着便の集配の時間に間に合うかどうかで焦り、自分から宅配業者の本部まで届けに走ったり、当日、直接会社へ出向いたり、それも無理なときは謝罪の電話をかけたものでした。出かける直前まで作業をして、ドライヤーで乾かして、隣の県でも新幹線に乗ったり、タクシーで「とにかく急ぎで」と頼み込んで刑事ドラマのような運転をしてもらったこともありました。時は移り、メールでデータ送信することが中心になったものの、やれデータが開かない、届かない、などのトラブルが頻発。メールなら当日ちょいちょいっという作業で送れるはずなのに、重すぎる場合は昼ご飯を作りはじめてから食べ終わるまで「送信中」で、結局最後は「送れませんでした」というエラーメッセージが登場したりして。ほんとにまぁ、絵を描くのは日々の仕事関係の作業の中でほんの10%くらいかもしれません。そんなこんなで、どこでもドア、欲しいです。それが無理なら「手際のよさ」、プリーズ。
わが家マンガはじめました。
いろは4コマの途中ですが、今日から「わが家マンガ」はじめました。たぶん、36コマになるかと思います。
近ごろ、小皿に水をはったところへ載せた野菜の切れっぱしから、ひょこひょこ茎や葉が伸びて来るのを眺めるのがなぐさみになっています。にんじんもダイコンも、使いのこしを冷蔵庫に入れたまま忘れていて、もともと葉のあった部分の根元が茶色くひからびて、見るからにもうダメだなという風情のものばかりなのに、そこから初々しい淡萌黄色の茎と葉が伸びてくるのです。それを見ていると、「はた目にはもう終わっているように見えても、水を与えて少し待てば芽が出るもんなのね、目で見えていることだけで判断できないもんだな」と、勇気がわいてくるのでした。
よく、テレビに出ている人気の芸人さんだとかアイドルに対して「このひとの時代はもう終わりそうだな」とか、素朴な感想を抱いたりするんですが、何年かして、人気絶頂のころよりずっといい味を出して役者さんになっておられたりするのを見ては「ひぇ〜、わたしが浅はかでおました・・」と反省するのです。まぁ、そのひとの持ち味ってのは、どういう形に伸びるかは無限なのでしょう。わが家の台所でひからびたにんじんやダイコンから出て来たものは、わたしが枯らしてしまった「やる木、げん木、こん木」の新芽かもしれないぞと思って仕事してみますぅ。
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