ライトな気分で。
なんという名前だか・・・
大正時代のミルクホールをイメージしたらしき珈琲店。ぶれんど珈琲、あいすみるく紅茶、葡萄じゅうす、しふぉんけぇき、などと読みづらい書体のメニュー表にも雰囲気がありまして、珈琲を注文すると、カウンターにつり下げられたカップから好きなものを選ぶこともできるのです。たとえば、日本酒(冷酒)を注文して、カゴに盛られた陶器の御猪口からひとつを選ぶのならば、手触りやサイズ、色、飲み口の厚さなど、おのずと好みのものを手にとってしまうものですが、洋ものの磁器の場合、絵柄やブランドで選ぶことになり、といっても何が何やら・・・どれもわたしには結婚祝いや内祝い品というイメージで、実家でも来客専用だったため、そもそも好き嫌いの対象ではなかったのです。唯一、高校からの友人が好きで売り場でよく一緒に眺めていた、繊細な絵柄と有田焼のような青が魅力のロイヤルコペンハーゲンのブルーフル−テッド・プレインとハーフレースはいいなぁと思っていたものの、店ではとっさにど忘れしていて、ロイヤルのロも出てこず・・結局、店の方にカップ選びは任せました。帰宅してから調べると、わたしに出されたのはマイセンの15000円程度のカップ&ソーサーだったようです。珈琲代にはカップ代金のいくらかも含まれていたはずなので、もっと有り難みを分かった上で飲まなければ勿体無い話でした。次回までに好みのデザインを見つけておくか、もしくはロイヤルコペンハーゲンをど忘れしたとしても、「有刺鉄線みたいな花柄」とか、「ウロコ柄みたいな飾りの」などと恥ずかしがらずに口にするか、無言で「あれ」と指させるようにしたいと思います。それにしても、「この中から選べ」と言われた時、映画『マトリックス』の、「真っ白な空間に立っていると、左右に武器の棚がざぁーっと列車のように流れてくるシーン」を思い出して、めまいがしそうでした。
たいしたことはなにもなく。
よく思うことについて。
帰って来たはにほさん。
わたしがよく使う言葉に、「いたこのいたろう状態」というのがあり、橋幸夫さんが『潮来笠』をうたう時の、口の端を引き締める表情をしているひとを見た時に使っております。もともとうちの父が、たとえばババ抜きをしていてジョーカーを隣のひとが抜こうとする瞬間や、麻雀でドラ、3色などを連チャンで鳴いたときに「いたこのいたろう顔」をするのです。笑いをかみ殺す、というのとも少し違って、武者震いを押さえつつ、というか。たとえば、スピード社に対抗出来る水着を期限内に開発せよ、と迫られた国内メーカー3社に対して、大阪のタコヤキラバーという素材を開発した方がインタビューかなにかで「うちの素材を提供します」と仰っていたときも、いたこのいたろう状態に見えました。本当に自信があって勝算があったから、あの表情なんだろうな、と、父がその顔になったあと、必ず勝利や成功をものにする法則を知っているだけに、わたしは勝手に確信したのでした。でもその後、国内メーカーは、いずれも、タコヤキラバーを使わないか、一部パッチワーク状態で使うだけという、素人目にもそんな無茶な、という扱いでした。その後、マスコミは彼を追わなくなってしまいましたが、タコヤキラバーの行方が気になります。



















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